心臓疾患がある人は、低血圧で心臓が止まる危険性も

起立性低血圧が起こった場合でいちばん危険なのは、基礎疾患として大動脈弁狭窄症や、心房細動性の徐脈(じょみゃく)(1分間の脈拍が60回未満になる)がある人です。

急に血圧が低下するとさらに脈拍が減るため、ショック状態になって心臓が止まる危険があるのです。

(写真提供:Photo AC)

心臓の反射作用に、心房に入る血液量が増えると心拍数を増加させて心房内の血液を早く動脈内に押し込もうとする「ベインブリッジ反射」というものがあります。血管内の血液量が減ると脈拍数を落とすので、血圧低下が助長されます。

普通ならば血圧が急に低下しても血の気が引いたくらいの状態で済むのですが、その反射が極端な人はそのまま意識を失ってしまうとか、心臓が止まってしまうといった状況を招くリスクがあるのです。