立ち上がるときなど、心臓に戻る血液量が一時的に減って低血圧に
夏場の低血圧では「起立性低血圧」にも気をつけましょう。急な立ち上がりや長時間立ち続けていることで生じます。
座ったり横になったりしている状態から立ち上がるとき、重力によって血液が上半身から下半身に移動してたまります。それによって全身から心臓に戻る血液量が一時的に減り、心拍出量が低下して血圧も下がります。
このとき、通常であれば交感神経が働いて血管を収縮させ、速やかに血圧を正常化します。しかし、人工透析や糖尿病の患者さんは、交感神経がうまく働かなくなっているため、血圧が下がったままの状態になってしまいます。座ったり寝ていたりするときに比べ、立ち上がったときの血圧がストンと下がるのです。
また、エキサイトしやすくストレスを抱えていて血圧が上がりやすい人、高血圧のなかでも拡張期血圧が高い人に関しては、年をとるとともに寝ているときと立ち上がったときの血圧の差が大きくなる傾向があります。
ですから、たとえば夜中に目覚めてトイレに行く際などに、血圧が一気に下がってフラッとなり暗い中で転倒して頭を打ち、事故につながる危険があるので要注意です。