時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは愛知県の60代の方からのお便り。自然消滅していた友人から、10年ぶりに連絡があり再会。交流がまた始まったけれど、やはり彼女の発言が気になるようになってきて――。
「人の断捨離」も必要?
自然消滅のような形で交流が途絶えていた他県に住む友人から、10年ぶりに電話があった。当時はなんとなく、互いに距離を置いたほうがいいと感じたのだと思う。
だが一時はしょっちゅうランチをした仲だ。たちまち時計の針は逆戻りし、さっそく2人で再会。その後メールや電話でやりとりをする関係が続いた。
だがいつの頃か、再び違和感を覚えるように。彼女の発言を上から目線に感じ始めたのである。それだけではない。以前なら決して言わなかった意地悪なことを平気で口にする。年を重ねて抑制がきかなくなったのだろうか。
また、やたらと私の生活スタイルに口を出す。こちらがアドバイスを求めてもいないのに、還暦を過ぎて説教じみたことを言われても、反感を覚えてしまい、ありがたいとはとても思えない。
最近ふと思う。彼女はなぜ10年も経ってから、唐突に電話をかけてきたのだろう。単純に話し相手がほしかったのか、それとも他者にアドバイスすることで、自分の存在意義を確かめたかったのか。弱みや悩みを相談し合ったりするほうが、友人関係としてまっとうに思う。
最近テレビで、「人の断捨離」という言葉を聞いた。その時は、なんて残酷な考えだろうと抵抗感があったが、自分が穏やかに暮らすため、そんな発想も必要なのかもしれない。