草笛 でもね、内野くん。これは要するに、身体が丈夫だからよ。
内野 もちろんそうですけど(笑)、長く努力されてきたということじゃないですか。僕、もうひとつ草笛さんの忘れられない言葉があって。ずいぶん前に、渡辺徹さん主演の舞台『あかさたな』を芸術座に観に行ったんです。草笛さんも出てらして、終演後にお話ししたとき、「私はもっと草書体の芝居をしたいんだけど、まだ楷書体なのよね」とおっしゃった。
草笛 やだ、全然覚えてない。(笑)
内野 「いやいや、とうに到達してらっしゃいますよ」と思いつつ、いつお会いしても、芝居に対する欲とか向上心を持ってらっしゃることに毎回ハッとしますね。「なんにもしてないわよ、もともと丈夫なのよ」って謙遜されますけど、筋トレもして加圧トレーニングもして。この仕事を長く続けるなら、見習わなければと思います。
草笛 それと正反対の生活もやってるのよ。ガボガボお酒飲んだり、明け方近くまで起きてたり。夕べも、4時まで起きてたんだから。
内野 そんな夜中までなにをしてらっしゃるんですか。
草笛 そういう時間帯のほうが、大事なことが頭に浮かんでくるのよ。映画を見ながら、「あ、これいただき」とか思ったりして。
内野 スマホいじってたら明け方になっちゃった、ということは僕にもありますけど、仕事のことを考えているうちに朝になるのはまずないなあ。