自分が介護してもらう可能性もある

そこで考えるべきは、「夫と妻、どちらかに介護が必要になったとき」という「もしも」です。

危機感とまでは言いませんが、可能性がゼロではない「Xデー」について、きちんと話しあう機会を持つのは大切です。

夫とふたり暮らしの65歳の女性は、日頃から、夫の介護は自分がするものと考えていました。夫が、彼女より一回り年上だったこともあります。

しかし、ある出来事をきっかけに、その考えはガラリと変わりました。

ある日、彼女が自転車で買い物に行く途中、車と接触。幸いケガは軽かったものの、ドクターから「ほんのちょっとでもズレていたら、歩けないほどの大ケガをしていたかもしれない」と言われたのです。

そのとき、「もし私が寝たきりになったら、夫はどうなってしまうのだろう」という思いと、「自分が介護してもらう可能性もある」という思いが交錯したのです。