人生100年時代、現役世代を駆け抜けた後はどのように過ごせばいいのでしょうか。精神科医の保坂隆先生いわく、人生後期は無理をせず「ほどほど」をキーワードに過ごすことが大切とのこと。『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』より、日常生活を元気で楽しく暮らすための知識をご紹介します。
誰に介護をしてもらうか
「看取られるはずを看取って寒椿(かんつばき)」
これは、故・永六輔さんが、最愛の奥さんを亡くされたときに詠んだ句です。
結婚している男性に「介護が必要になったとき、誰にしてもらいますか? または誰にしてほしいですか?」と質問すると、ほとんどの男性は「妻」と答えます。
長年連れ添ってきた妻に自分の身のまわりのことをしてほしいと思うのは、夫としては自然の感情でしょう。
しかし、「妻が夫の介護をするのは当たり前」と考えるのはいかがなものか……です。
日本では統計的に女性のほうが長生きですし、家のことはたいてい奥さんがやってきたことからすれば、たしかに介護に適しているのは男性よりも女性となりそうです。
でも、妻が夫よりも元気でいるという保証はありません。