証券会社に勤めていた頃(左)写真提供:どんぐりさん

気づいたら、50歳になっていた!

そういえば、笑顔教室、というのもありました。何事もよく調べずに、勢いで行くところがあるので、感じのよい笑い方を教えてもらえるマナー教室みたいなものかな、と思っていたら、「笑顔で、心の持ちようや生き方を変える」みたいな深い講義を受けることに。それはそれで勉強になりましたけど。(笑)

裁判所に勤め出したある時、自分の話が相手にうまく伝わってないな、と感じることがありました。職場でずいぶん説明したのに、最後になって「どういうこと?」と聞き返される。これはあかん、と思って、いつもの調子で話し方教室に行きました。

そこの先生が、「話の基本は落語です」と落語も教えてくださったので、その後、習うことに。講師の桂文華先生は、私の声質が子どもや丁稚役に向いている、と個性が生かせるネタをうまく選んで指導してくださいました。アマチュアの落語コンテストで審査員特別賞をもらったこともあるんですよ。

そうこうしていたら……、私、50歳になっていたんです。以前、大河ドラマで渡哲也さんが演じた織田信長が、「人間五十年……」と歌いながら死んでいくシーンが甦りました。その時、すっと自然に、これからは自分のやりたいことをやろう、と思えたんです。

好きな仕事や習い事をして、周囲からは自由に生きているように見えたかもしれないけど、もう50歳だし、人生後悔したくない。真っ先に思いついたのは、よしもとのNSC(吉本総合芸能学院)に入所することでした。