UVA用の効果数値「PA」
開発当初のUVクリームは日焼け対策を主な目的に開発されたため、防ぐ紫外線はUVBだけでした。
「SPF」という言葉がすっかり浸透していますが、この数値もUVBに対する効果だけを表したものです。
しかし紫外線への理解が進むにつれ、UVBよりもUVAの方が怖いということがわかってきました。そこで「PA」というUVA用の効果数値が新たに登場しました。
よく知られている通り、UVAは冬場でも量があまり減少しません。地表に届く紫外線の99%がUVAになることもあります。
皮膚の真皮にまで到達し、肌の弾力を生み出しているたんぱく質を変性させ、老化とシワを促進します。
ちなみに、UVAによる色素沈着(サンタン)はUVBによって生成されたメラニンがUVAによって褐色に変色したものです。
夏は対策をとるかたが多いので、紫外線問題とはむしろ冬場のUVAだと訴える研究者もいます。
美肌を長続きさせるためには、一年を通じた「UVA対策」が必要です。
※本稿は、『美容の科学:「美しさ」はどのようにつくられるか』(晶文社)の一部を再編集したものです。
『美容の科学:「美しさ」はどのようにつくられるか』(著:尾池哲郎/晶文社)
「肌のキメこそ美人の条件」「もっと美白、もっとアンチエイジング」……。
美容にまつわる惹句はあふれているが、そもそも「美しい」とは何なのか?
スキンケアの謎に迫る、これからの美容のバイブル。