長野地裁松本支部の前で囲み取材を受けている杉本さん
長野地裁松本支部の前で囲み取材を受ける杉本さん(写真提供◎杉本さん 以下すべて)
俳優・杉本彩さんが、“人と動物が共に幸せに暮らせる社会”を目指し、動物環境・福祉協会Evaとして活動を始めて、今年で10年を迎えます。これまでの歩み、達成できたこと、そしてこれからの課題について伺いました。(構成◎岡宗真由子)

記憶に残る最初の“保護活動”

物心ついた頃から猫と犬が、私のそばにいます。京都で暮らした子ども時代には、捨てられた猫を拾っては親に頼み込んでうちに迎えました。18歳で芸能界の仕事を始めることになり、20歳の頃一人で上京しました。

24歳の時に、ドラマの撮影所で見つけた病気の仔猫を病院に運んで、看病をしてから里親を探したというのが記憶に残る最初の“保護活動”です。

それからいつの間にか私が猫を保護しているということが近隣に広まるようになり、取り壊されるお風呂屋さんに仔猫が取り残されていると夜中に「保健所が来る前に連絡しました!」という電話が入って懐中電灯持って駆けつけたり…。

そうしたこともあり、保護した猫の医療費やご飯代を捻出するため、私の持っている服や雑貨、また協力してくださる方の寄贈品でチャリティセールを行うようになりました。そのうちさまざまな動物問題を知るようになり、署名活動もしました。そんな中で個人での活動に限界を感じ始め、2014年に法人格を取得しました。その後、それまでの活動が長く、信頼を得ていたことが幸いして審査の厳しい“公益法人”の認定をそのわずか1年後にいただくことができました。

杉村彩さんの宣材写真
 

現在、最初の保護活動から数えたら約30年、Evaの代表として活動を始めてからは10年が経過しました。それからは悪質な虐待者を刑事告発したり、法律を変える訴えをしたり、動物の命の価値が、社会に反映されるため日々活動し続けています。少しずつ賛同してくれる人も増えてきました。