生島ヒロシ
(写真提供:青春出版社)

 

2024年4月29日、外国為替市場の円相場が約34年ぶりに一時1ドル=160円台となりました。歴史的な円安が続くなか、経済評論家の岩本さゆみさんは「日本経済はまだまだ十分に底力がある」と話します。そこで今回は、ファイナンシャルプランナーの資格を持つパーソナリティの生島ヒロシさんと岩本さんの共著『日本経済 本当はどうなってる?』から一部を、お二人の対談形式でお届けします。

今でも日本は世界一のお金持ち国家だった

30年以上連続「対外純資産世界一」が意味すること

岩本 日本経済はまだまだ十分に底力があるんですよ、ということを示す客観的なデータがあります。実は日本が今でも世界一のお金持ち国家だってご存じでしょうか?

生島 えっ、アメリカとかじゃなくて、日本が世界一なんですか?

岩本 はい。日本は32年連続で「対外純資産が世界一」なんです。

生島 対外純資産が世界一って、どういうことなんですか?

岩本 ある国の企業や個人、政府が海外に持つ対外資産から、海外投資家などがその国に持つ資産である対外負債を差し引いて、プラスなら「対外純資産」、マイナスなら「対外純債務」となります。

2022年末時点での財務省公表の対外資産・負債残高によると、日本の「対外純資産」は前年末比0.2%増の418兆6285億円となり、過去最高を更新しました。急激な円安が進んだことで外貨建て資産の評価額が円換算をした際に膨らんだこともあるのですが、これで実に32年連続で日本は世界最大の対外純資産を持つ国となりました。