アメリカは借金まみれでも大丈夫?
岩本 日本は国外への貸し出しが世界一のお金持ちの国と言えますし、一方のアメリカは世界最大の借金大国と言えます。それでもなお、アメリカが世界経済の中心にいるので海外から資本が流入しやすいです。
また、アメリカは対外債務もありますが、対外債権も額としては大きいです。米ドルが基軸通貨として確固たる地位を維持しているため、対外債務のほとんどがドル建て、というのも大きなポイントですね。
世界経済が順当に拡大する時期なら、世界中からアメリカに投資資金が舞い込みますが、サブプライム危機や9.11同時多発テロというような、ひとたび危機的状況が発生すれば、海外投資家は一斉にアメリカから資金を引き揚げます。
借金大国アメリカの米ドルは、潜在的には売られやすい状態にあるとも言えます。ただし、ドルが下落してもドルベースの対外債務がほとんどですから、米国の債務者の負担は増えません。為替差損を被るのは海外投資家です。また、ドル安・外貨高なら米国の投資家の保有する海外資産は為替差益を生じます。
生島 それで米投資家もこの円安のステージでもどんどん日本の株を買っているんですね!