気づけばストレス解消に

家事の種類には得手不得手がある。私は洋裁の才能はゼロでボタンつけもできないし、DIYも苦手だ。いずれもクリーニングのボタンつけサービスなど、業者さんにお願いして生活をしている。

対するように私は料理が苦痛ではなく、作ることに没頭できるタイプ。ただ単身の料理はどうしても食材が余ってしまう。うまく使いきれずに廃棄処分……ということもあったけれど、冷凍すればそのほとんどは解決できるということに、母の歓喜で気づくことができた。

ではどんなふうに冷凍プロジェクトを進めたのかというと、まずは出版に関わっている者らしくレシピ本を購入。『冷凍お届けごはん 離れている家族に』(講談社刊)、『親が喜ぶごはんを冷凍で作りましょう』(主婦の友社)を買った。じゃがいも、こんにゃくは冷凍できないということくらいは知っているけれど、そのほかのアイデアは専門家を頼ったほうがいい。

(このメニューも冷凍していいの?)

と、読むたびに知らなかった情報が入ってくる。

作り始めて分かったのは、自分にとって調理がストレス解消になること。その昔、医師の西川史子さんがストレス過多で「唐揚げは離婚前、ずっと揚げていた」と打ち明けていたことがある。それによく似ていて、深夜に大量のおかずを作り、分量を計って冷凍保存袋に入れて……と作業をしているとスカッとする。大量の野菜を刻んでいると、時間が経つのも忘れている。

(あ〜、なぜ痩せない、私!)
(仕事もなかなか思い通りにはならないもので……)

そんな私のストレスがふんだんに投入された冷凍保存食。食べるのは肉親と自分なのだから許してほしいし、食事の支度が楽になるのだから理にかなっているのだ。ちなみにとある冷凍便のメニューを公開すると……

・イクラの醤油漬け
・アスパラの肉巻き
・肉入りきんぴらごぼう
・高野豆腐の煮物
・(ドリアセット)にんじんピラフ、ホワイトソース、チーズ
・小エビと生姜の炊き込みごはん
・きのことサバの炊き込みごはん
・ミートソースペンネ
・味噌仕立てのかぶのポタージュ
・かぶの葉ふりかけ
・冷凍サンマ

冷凍したホワイトソース、茹でほうれん草とブロッコリー、ツナ缶で作ったグラタン
作るのが面倒なグラタンも冷凍したホワイトソース、茹でほうれん草とブロッコリー、ツナ缶を混ぜてチーズをのせるのみ

ざっとこのようなメニューになる。これを1週間くらいかけてコツコツと作り、不定期で実家に送っている。大量に作ることによって、冷凍テクニックも着々とアップ。普通の料理と違って、最終的に凍らせるという工程も加わるので、化学実験を毎回繰り返している気分だ。