認知症にならないために「SCI」「MCI」を見逃すな

最近は、「主観的認知障害(SCI)」「軽度認知障害(MCI)」という認知症の前段階があることが知られるようになってきました。

「物忘れが増えた」や、「ちょっとした不注意やケアレスミスが目立つようになった」と感じるようなら、これにあてはまる可能性があります。

認知症にならないようにするために、特に見逃したくないのが「MCI」です。

MCIは日常生活に支障は出ていませんが、認知機能は低下し始める段階です。

MCIから認知症になる割合は、研究によって異なりますが、毎年10%といわれています(*2) 。

これは現時点でMCIと診断された人を集めて放置した場合、5年間で約半数が認知症を発症するという計算になります。

逆に考えれば、MCIの段階で適切な対策や治療を行えば、認知機能を改善できる可能性があります。

寝る前3時間は食べないという生活習慣も、この先の認知症リスクを減らすための適切な対策の一つなのです。

※本稿は、『ボケたくなければ「寝る前3時間は食べない」から始めよう 認知症診療医に教わる最強の生活習慣』(世界文化社)の一部を再編集したものです。

*1 Livingston, G. et al. Dementia prevention, intervention, and care: 2020 report of the Lancet Commission. Lancet 396, 413–446 (2020).
*2 Bruscoli, M. & Lovestone, S. Is MCI really just early dementia? A systematic review of conversion studies. Int. Psychogeriatr. 16, 129–140 (2004).


ボケたくなければ「寝る前3時間は食べない」から始めよう 認知症診療医に教わる最強の生活習慣』(著:今野裕之/世界文化社)

「寝る前3時間は食べない」だけで、「脳のゴミ出し」に必要な「よい眠り」、認知症予防に繋がる生活習慣病予防の効果が期待できる!

食事のとり方、お風呂の入り方、ゆるストレッチ、ハミガキ習慣など。

認知症診療医が、誰でもすぐできて続けられるカンタンな認知症予防のコツをお伝えします。