熱気や狂気が生み出した「公務員バッシング」

今から30年近く前に進められた行政改革は、肥大化した組織をスリムにしようとか、増えすぎた公務員を減らそうといった単純なものではなかった。

誤解を恐れずに言えば、霞が関や官僚を徹底的に変えようとするものだった。

『没落官僚-国家公務員志願者がゼロになる日』 (著:中野雅至/中公新書ラクレ)

今から思い起こせば、半ば狂信的な要素もあったし、当時は「霞が関を変えれば日本は変わる」「財務省を潰せば日本経済は復活する」という、今の日本には存在しない妙な熱気が世間を徘徊していた。

熱気や狂気は改革の推進力ではあったが、それが公務員バッシングにつながったことも事実だった。