官僚の不人気を作り出したものは何か

そういう図式から言えば、東大出身者が減っているということは、もはやキャリア官僚はエリートではないと言えるのかもしれないが、東大生でも非東大生でも、一定の競争率が担保されていれば(試験の中身そのものの難易度は変わらないという前提で)、優秀性は変わらないはずだ。この点を検証してみよう。

図表1-1を見てもらえれば明らかなように東大生か非東大生かにかかわらず、官僚志願者は激減している。人口減少のスピードをはるかに上回っており、もはや、東大生が集まらなくなったかどうかを議論するレベルではなくなっていることがわかるだろう。

図表1-1 国家公務員試験(国家公務員I種及び総合職試験)受験者数の推移(『没落官僚-国家公務員志願者がゼロになる日』より)

それでは、官僚の不人気を作り出したものは何か?

その一つの要因は、間違いなく、90年代半ばから始まった一連の行革である。