卒業後、ようやく十分にお金が貯まり、念願の矯正治療を開始。仕上がった自分の歯を鏡で見て、これが私! と感動しました。同時に怒りがこみ上げてきます。なんでアイツのせいで、大金を払って矯正しなくてはならなかったんだ、と。

きれいになった喜びよりも、教師への怒りがいつまでも消えないことにモヤモヤし、ついには体調を崩して過敏性腸症候群と診断されました。

そんな日々に別れを告げるべく、ある日私は再び決意します。直接あの教師に謝罪してもらおう、と。さっそく電話をしようとしたのですが、その前になんとなく近くに置いてあった新聞が気になったのです。

吸い寄せられるように目をやったお悔やみ欄に、なんとあの教師の名前が。思わず二度見してしまいましたが、間違いありません。謝罪してほしくても、もうこの思いは伝わらないのだ。こんなことならもっと早く会いに行くべきだった……。

彼を反面教師として、自分は言葉に気をつけようと心に決めました。


※婦人公論では「読者のひろば」への投稿を随時募集しています。
投稿はこちら

※WEBオリジナル投稿欄「せきららカフェ」がスタート!各テーマで投稿募集中です
投稿はこちら