友人とランチをする時間もでき、たまのひとり旅も気軽で楽しい…(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは静岡県の60代の方からのお便り。ずっと持ち歩いている、40代の頃に引いた運勢占い。そこに書いてあるのは――。

「晩年」に幸あり

私は、40代の頃に引いた運勢占いをずっと持ち歩いている。当時、夫と開いていたお店の経営、子どもたちの学費、それから北アルプスの景色を気に入って手に入れた別荘の借入金の返済などに追われ、四苦八苦の日々を過ごしていた。

私が50代半ばの時、夫に大腸がんが見つかり、店は休業に。夫が病気と闘うなか、私は資金繰りに奔走。治療にかかる費用はさまざまな制度や保険に助けられてなんとかなったものの、借金の返済は待ってくれない。夫に相談することもできず不安だったが、あれこれ手を尽くしてなんとか切り抜けた。

夫は、1年3ヵ月の闘病のすえ他界。悲しみに暮れた半面、助かったのは、別荘の借入金がゼロになったことだ。店の借金も、保険金で完済。私は遺族年金をもらえることになり、夫には本当に申し訳ないが、お金については肩の荷が下りた気持ちだった。

お店を畳んで新しい仕事に就いたのは、50代後半のこと。最初の職場は人間関係に悩まされて3年で辞めたが、次の職場は現在まで丸6年続いている。友人とランチをする時間もでき、たまのひとり旅も気軽で楽しい。

この間ずっと持ち歩いてきた占いには、「多少の苦労はあっても、晩年はすばらしい人生となる」と書かれていた。「晩年」とは、「一生の終わりに近い時期」を指すのだそう。

私の晩年は、今? それとも70代?80代? いつだって晩年に向かって生きているので、「すばらしい人生」になるはずだ。夫に手を合わせながら、独り身を謳歌する日々である。


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