父の反応
その後から大きな買い物をするたびに父の反応を想像して気にするようになってしまいました。
どんなポエムが飛んでくるのかビクビクしていたのです。
スケボーを買ったときは目立たないように戸棚の奥のほうにしまいました。
ギターであんな量の投書をしてくるのだからスケボーなんか見たら、「文明開化の音がする!!」と叫んで切腹する勢いです。
とにかく父を刺激しないようにしました。
そんな父も丸くなった背中で、今日も同じ時間に神棚に向かって手を打っています。
※本稿は、『自分は、家族なしでは生きていけません。』(ポプラ社)の一部を再編集したものです。
『自分は、家族なしでは生きていけません。』(著:あばれる君 イラスト:和田ラヂヲ/ポプラ社)
ひとり暮らしのときは家族の大切さなど考えたこともありませんでした。
そんな僕に人間的な思いやりを教えてくれたのは、僕の妻と、息子たちでした――。
あばれる君はじめての書き下ろし「家族」エッセイ。