黒紋付は思い出の着物
家紋は、平安時代、貴族たちが牛舎の車体に入れたことから始まったと言います。
鎌倉時代、武士の世になると、武士たちが戦場で敵と味方の区別をする旗印、あるいは自家の存在をアピールする目印として使うようになったそうです。
植物や動物、文様など、デザインを細かく分類すると3万種類以上の家紋が存在すると言われています。
家紋にはいろんな文様や種類があることを、宝塚時代に仲間の黒紋付で知りました。
「こんな紋もあるんだ」
「この紋はあの人と同じだ」
「JAL!?」
昔からあるものなのにその文様はどれもおしゃれで、いろんなデザインがあるんだなぁと思って見ていました。
紋付の五つ紋は、背中の紋はご先祖様、胸の紋は両親、袖の紋は兄弟姉妹、親戚だと昔教えてもらいました。
音楽学校の卒業式、初舞台の口上、元旦の拝賀式、式典、退団の千秋楽など、黒紋付に袖を通す時はいつも身が引き締まりました。
黒紋付は思い出の着物です。