費用は、墓じまいを手掛けている葬儀社への支払い、お寺へ払う魂抜き料、役所での手続き、合祀墓に納めるための料金、行政書士への謝礼など、一切合切含めて2基分で100万円弱。
「大きな出費でしたが、やるべきことはやったし、これで嫁ぎ先との縁が完全に切れると思うと、心が解放された気分になりました」
すべて終わったのは、最初に行政書士に問い合わせのメールを送ってから2年後。思い立ってから5年の間にお寺の事情も変わったようだ。納骨堂が完成したことで、墓じまいをして納骨堂に入れる檀家が急増したらしい。
3人の子どもたちには、画像を添付して完了したことを連絡。長女からは「一時代が終わったって感じだね」、次女からは「行動を起こしてくれてとてもありがたい。おつかれさまでした」と返信があった。
「末っ子の長男は『へぇ、驚いた。了解~』(笑)。田舎の因習だと、たとえ私が離婚しても、本来、息子がお墓を守らなくてはいけないわけです。でも今の若い人は、長男とか、跡継ぎといった意識はないんでしょうね」
【ルポ】土地のしがらみ、子の抵抗…苦労しながら私たちが改葬するまで
●何十年も《嫁》として 守ってきたが――真澄さんの場合
●夫の遺骨を合祀墓に
入れようとしたら――理沙子さんの場合
●お寺ときちんと
話し合うのが大事――紀子さんの場合