(写真提供:Photo AC)

墓じまいを手掛けている業者に問い合わせたところ、お墓が斜面にあり、寒冷地で基礎の石が分厚い場合、撤去費用が余分にかかることがあると言われた。墓じまいを経験した叔母に聞くと、300万円かかったという。

そんな余裕はないと気が重くなる一方だったが、70歳を目前に、子どものためにも元気なうちにすませなければと決意を新たに。住職とは話しづらいので、行政書士に一任することにした。

「インターネットでお墓に近い町の行政書士さんを探して。コロナ禍でしたので、直接会わず、すべてメールでやりとりしました。コロナは、住職と会わない言い訳になり、正直助かりましたよ」

2基分のお骨は、町営霊園の合祀墓に移動。その霊園も、阿部さんがネットで見つけたという。司法書士には撤去中の写真や更地になった後の写真なども、メールで送ってもらった。