車は断捨離候補、医療保険一つを解約検討
若いころに自治体の正職員だったため、淑恵さんはかつて共済年金に掛けていました。制度が変わっていまは厚生年金ですが、特別支給の老齢厚生年金として報酬比例部分の受給がすでに始まっています。
「いまの支出を計算してみたら、結構いろんなものにお金を払っている、って分かりました」。駐車場代には月約2万円払っています。淑恵さんは運転好き。月に1度は郊外に、年に1度は泊まりがけで遠くの観光地に、ドライブに行きます。駐車場のほか車検や税金など、年に計30万円近くの維持費がかかります。「車は、手放したほうがいいかしらね」と、残念そうです。いずれ収入が年金だけになって、生活を縮小する時には、車は断捨離候補かもしれません。
他にも、マンションの管理費・修繕積立金が、月に計約2万2千円。医療保険とがん保険は、毎月計約1万2千円。NISAは掛けていないので、老後資金のために「医療保険の一つを解約して積立NISAでも始めたほうがいいかしら」とも考えます。
ただ、実はがん保険には助けられました。
8年ほど前のことです。健康診断で受けたマンモグラフィー検査で、右胸にしこりが見つかりました。要精密検査と言われ、頭が真っ白になっていた時、旧知の婦人科の医師と事務スタッフに、職場で偶然、会いました。仕事の打ち合わせで来庁していたのでした。相手は名医です。「要精密検査って言われちゃったんですよ~」。軽い調子で話したら、事務スタッフが顔色を変えました。「淑恵さん、次の月曜、朝イチで来てください」。予約を取ってくれました。