大覚寺は、旧嵯峨御所とも呼ばれるように、平安時代初期、嵯峨天皇(平安京を開いた桓武天皇の次の天皇)の離宮として建立された「離宮嵯峨院」が、その前身です。

渡月橋あたりの喧騒から離れて嵐山の良さを堪能できる、観光客にもおすすめの場所。この界隈は、嵐山に住む私にとっては愛犬との散歩コースのひとつです。お堂のほうだけを回って、庭園には足を延ばさない参拝者も多いのですが、それではもったいない。日本最古の人工池といわれる大沢池(おおさわのいけ)を囲むように広がる風雅な庭園には、桜や紅葉をはじめ、四季折々の美しさがあります。

不思議な趣きのある石仏群(古いものは平安時代後期の作とも)、初夏に池の水面を彩る睡蓮、梅林、竹林など、見どころもたくさん。大沢池を見下ろす五大堂(本堂)でお写経をしてから、池の周り(約1km)をゆっくり散策すると、頭も心もすっきりと整うように感じます。

風格漂う秋の大覚寺前