透析は毎回5時間かかります

実は、真梨枝さん自身が、免疫系の難病を抱えています。そのため腎機能が低下。水分の取り過ぎは負担になるため、タンパク質や塩分を控える食事制限を続けていましたが、制限しすぎるとエネルギー切れでふらふらに。「朝、ぱっと目が覚めない。きつくてだるくて、年齢のせいだと思っていたら、病気のせいでした」。ついに10年前、人工透析が始まってしまいました。

人工透析は、週に3回、クリニックに通って透析治療を受けます。透析は毎回、5時間かかります。自宅近くのクリニックに行くため、以前は、透析の日は仕事を早退し、自宅の最寄り駅に停めておいた車を運転して、クリニックに行っていました。

午後4時半前から9時半まで透析を受け、帰宅は夜10時。「透析が始まる時は、もう仕事は無理、難しい、って思ったんです」。ただ、医師も看護師も、「仕事は絶対に辞めないで。体の調子は良くなるから。辞めたら後悔するから、続けて」と、真梨枝さんを励ましてくれました。

「最初の3ヵ月は本当にきつかったんです。でも先生も言った通り、3ヵ月を過ぎて体が慣れたら、楽になりました。あの時、会社を辞めなくて本当に良かったです」。在宅ワークになった今は、終業後、自宅から直接、ジャージ姿でクリニックまで運転して行きます。「通勤がなくなった分、体は楽になりました」。今のところ、無理なく仕事と治療を両立できています。

週に15時間もの透析。普通の人よりも横になっている時間が長いので、運動も大切です。「しっかり食べて、しっかり運動して、しっかり透析をする」と、医師からも言われます。いまはヨガとパーソナルトレーニングに通っています。パーソナルトレーニングは、1回40分5000円。自宅の近くで見つけ、月2回、通っています。毎回へとへとになります。

「自分一人じゃ、地道なトレーニングは続けられないので、プロに指導してもらっています。筋肉ムキムキになるのが目的じゃなくて、足腰を鍛えて、体力をつけるためです」。食事は、塩分少なめの薄味で、自分で作っています。