野球の縁の繋がりに、感慨もひとしお
何人か保護者など観客がおられたが、ただゆったりと応援席に座って試合を観戦する。親は何もしなくていいことに、初めて、改めて驚いてしまった。そこへ1人の学生が笑顔で座布団を配りに来てくれた。
なぁんとお客様扱いの父母の観戦に、何もかも初めてのわたしはひたすら「ほほぉ〜」と感心してしまった。
きっと保護者の役割はまた違うところにあるのだ。
気温35℃に迫る午前中の試合だったが、Bチーム同士でもレベルの高い野球に圧倒されてしまった。ベンチから毎打席元気よくシャー!と「バット引き」が飛び出してくる。
背番号「37」元木翔大である。
結局この日翔大は終始バットを振って準備していたが、機敏なバット引きを務める姿を見て終わった。でも大満足。頑張っている息子の姿を、グラウンドで久しぶりに見られたのだから。
学童の先輩の3年生らしい胸のすくようなヒットも見られた。かっくいいー!学童以来久しぶりに同じグラウンドの中にいる2人をずっと眺めていた。
2人ともここまでそれぞれいろんなことがありながら、どの時点でも辞めずに大学野球までたどり着いて、ここでまた会えるだなんて。
野球の縁の繋がりに、感慨もひとしおだった。
すっかり大人びた2人が話しているのを、「推し活女子」のようにキャッキャと写真に収める母。
いつかまたどこかで一緒に野球ができる日が来るかなぁ…。
その時はぜひ打席に立って、胸のすくヒットをお願いね息子。
目にも鮮やかな緑の中に球音が止まない、東海大学のグラウンドだった。