「私なんて家でも《普通にするってどういうことだっけ?》と自問すること、ありますもの」(真矢さん)/「かっこよくしようと思っていなくても、ちょっとした仕草が《型》みたいに決まってしまうのよね」(草笛さん)

草笛 そう、この感じよ(笑)。無関心だったら何も言わないもの。佐藤さんはズバズバおっしゃる方だけど、そこにはちゃんと愛情がある。それを表現したくて、私もあなたに対して言いたい放題で接したの。愛情があれば気取ったり作ったりせず、スパッとした姿勢のままで生きられる。どちらかというと、私もそういうタイプなのよ。

真矢 爽子ちゃんもサバサバした性格なので、見事なサバサバ一家でしたね。

草笛 私たち3人には、なんだか共通点みたいなものがあるじゃない。音楽が鳴ると体が動く。そこからスタートしているから。

真矢 草笛さんはSKD(松竹歌劇団)、私は宝塚歌劇団出身。爽子ちゃんは日本舞踊家・初世藤間紫さんのお孫さんで、三代目を継いでらっしゃる。踊って生きてきた3人が揃いながら、それを封印して演じている感じもまた楽しかったです。

草笛 舞台と違って、映像の仕事はそこに気をつけて演じないといけないわよね。

真矢 あははは。それ、わかります。私なんて家でも「普通にするってどういうことだっけ?」と自問すること、ありますもの。ちょっと肘をつくとか、足を組むとか、振り向くとか。(笑)

草笛 かっこよくしようと思っていなくても、ちょっとした仕草が《型》みたいに決まってしまうのよね。だからこの映画の時も、私は心を弾ませないようにしてた。弾んでしまうのが怖いのよ。

真矢 どうなってしまうんですか?(笑)

草笛 いい気になってると、つい響くような声を出しちゃったりするから。(笑)