離婚解決金すら値切ってきた夫の吝嗇家ぶり

夫の吝嗇家ぶりは、離婚解決金の受け渡し時にも明らかになりました。調停で金額が800万円と決まったにもかかわらず、「700万円でいい?」と値切ってきたのです。「ありえない!」。弁護士に相談すると、「裁判所の決定に基づき、給与の差し押さえの手続きをします」という内容のメールが送られてきて、そのまま夫に転送するよう指示されました。その通りにすると、会社にバレるのは得策じゃないと悟ったのか、すぐに夫は満額振り込んできました。「笑っちゃうわよね」と、須磨子さんは呆れます。

その後、須磨子さんはトリプルワークで娘2人を育てました。別居後、体調はよくなりました。よくぞ結婚期間に鬱にならなかったと、いま思います。ただ、いまだDVの傷は癒えていません。

「私はあの人のせいでずっと辛かった!とわめきたい気持ちもまだあるんです。12年もたとうとしてるのに! 意外と吹っ切れてないでしょ、私」

養育費は娘がそれぞれ大学を卒業するまでもらいましたが、小遣いはパパから娘に直接手渡し。そのたびに「受け取り」を書かされるのがイヤで、娘たちはクラブ活動などの費用はパパには頼みたがらず、須磨子さん持ちでした。月1回の面会の取り決めも、だんだん間遠に。夫のほうがパスすることが増えて、最近は数カ月に1度になっています。

今年、ついに夫の家が売れ、転居して行きました。これで近所で偶然顔を合わせることはなくなりました。子どもも独立したことだし、いよいよ彼氏を作ろうとか、再婚しようとか、思います? 「それはない!」と須磨子さんはきっぱり。「男はもうこりごり。もう、パートナーも彼氏もいらない。1人でいい」。よほど結婚生活がこたえたようです。「私、ひとりのほうが良いの」