全部の台本を読み切ったら見えてくるもの

物語が進むにつれて、まひろと道長の関係が変わってくるんですが、今までのように離れている時間がふたりの思いをどう埋めるのか、ということとはまた違うようになっていく。まひろが内裏に入り、道長との距離も近くなっていきます。

その信頼関係から、これまで築いてきたものが今までとは違う、落ち着いた形になっている。ふたりの絆が強硬になっている印象があります。

道長は、まわりからは父の兼家と同じように見られることもありますが、「父と同じことはしたくないんだ」と言う場面がいくつか出てくるんですよね。同じことをしていても気持ちが違う、出発点が違う。民のためによき政をするために、結果的に同じことをしているがしたくない、その整合性をどう保つか、自分なりに考えています。

道長の旅路は、まだ途上。今、物語の終盤を撮影していて、道長はまだバタバタしているので、全然落ち着きません(笑)。正直なところ、全部終わってみないと、道長がどんな気持ちに辿り着くのかわからない。全部の台本をいただいて、読み切って、落ち着いてきた時に、僕自身も道長について見えてくるものがあるのかなと。今から、その日を楽しみにしています。

柄本佑さん(『光る君へ』/(c)NHK)
(『光る君へ』/(c)NHK)

 

『光る君へ』

【NHK公式】大河ドラマ『光る君へ』(2024年)。主人公は紫式部(吉高由里子)。平安時代に、千年の時を超えるベストセラー『源氏物語』を書き上げた女性。彼女は藤原道長(柄本佑)への思い、そして秘めた情熱とたぐいまれな想像力で、光源氏=光る君のストーリーを紡いでゆく。変わりゆく世を、変わらぬ愛を胸に懸命に生きた女性の物語。

【キャスト】
吉高由里子、柄本佑、黒木華、吉田羊、高畑充希、町田啓太、ファーストサマーウイカ、秋山竜次、塩野瑛久、渡辺大知、三浦翔平、高杉真宙、竜星涼、上地雄輔、瀧内公美、金田哲、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗ほか

【作】大石静(脚本家)
【音楽】冬野ユミ
【語り】伊東敏恵アナウンサー
【制作統括】内田ゆき、松園武大
【プロデューサー】大越大士、高橋優香子
【広報プロデューサー】川口俊介
【演出】中島由貴、佐々木善春、中泉 慧、黛りんたろう ほか

【放送予定】
[総合]日曜 午後8時00分/再放送 翌週土曜 午後1時05分
[BS・BSP4K]日曜 午後6時00分
[BSP4K]日曜 午後0時15分