フリーランスで仕事をするヒントとは?(写真提供:Photo AC)
2024年11月に「フリーランス・事業者間取引適正化等法」が施行されることになり、新しい働き方を考える人が多い昨今。廃業するフリーランスは全体の9割という統計データがあるなか、25年以上ずっと仕事が途切れず、50代以降も成果を出し続けている人の働き方とは?スキルの高め方、人脈のつくり方、仲間と組んで仕事をするコツ、めげないマインドの保ち方、コミュニケーション能力の磨き方…。小川真理子氏 著書「女性フリーランスの働き方」からフリーランスで仕事をしていくためのヒントを抜粋して紹介します。

「フリーランス」「個人事業主」「起業家」の違いって何?

「フリーランス」「個人事業主」「起業家」など、似た印象を与える言い方があります
調べてみると、フリーランスひとつとってみても、定義はいろいろです。

厚生労働省「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」では、「『フリーランス』とは、実店舗がなく、雇人(やといにん)もいない自営業主や一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者」と定義しています。

デジタル大辞泉では「フリーランサーに同じ」とあり、フリーランサーを引くと「自由契約者。一定の会社や団体などに所属せず、仕事に応じて自由に契約するジャーナリストや俳優・歌手など」とあります。

ここでは、わかりやすく次のように定義します。

フリーランス......組織(複数の人がいる)に属さずに、自分のスキルを活かして、個人で仕事を請け負って働く人。
※フリーランスで法人化する人もいますが、働き方に差がないため、ここでは「フリーランス」とします。

個人事業主......法人格をもたず、個人で事業を行っている人。「個人事業主」は税法上の区分のことで、働き方はフリーランスと同じ。

起業家……新しい事業を立ち上げ、法人を設立している人。

つまり、フリーランスで会社組織にする人もいれば、しない人もいるわけです。
私自身は長い間、後者の「法人化しないフリーランス」でした。

法人化をすると、節税効果が期待できるケースがあったり、社会的信用が高くなるメリットがあるといわれます。

一方で、次のようなデメリットもあります。

・設立の手続きが煩雑で費用と時間がかかる
・登記するための事務所が必要である
・申告や帳簿付けが複雑で手間がかかる

私は事務が得意なほうではありません。
税理士さんなどにサポートをお願いするにしても、自分でできることには限界があると思われたので、ずっと法人化せずにいました。