取引先のダメ出しは成長のチャンスと捉える

私もフリーランスになりたての頃、ある仕事で「最初に提示した原稿料は払えない」と言われたことがあります。
理由は「想定していた原稿のレベルに達していない」でした。

指示どおりに修正して納品した原稿が、ほぼそのまま雑誌に掲載されたので、納得できませんでした。
しかし、当時の私は交渉の仕方がわからず、「わかりました」と了承するしかありませんでした。

疑問や変更は確認する(写真提供:Photo AC)

その担当者とは疎遠になりました。
「**さんとは、もう仕事をしたくない」と、人間的に未熟だった私が心のシャッターを下ろしたからです。

もし、タイムマシーンに乗って当時の自分と話ができるなら、今の私は次のようにアドバイスします。

理由を確認しなさい。
「どう直せばご希望のレベルに達したのでしょうか?どこが、どういけなかったのか教えていただけますか?」と質問してみなさい。
その上で、「もう一度チャンスをいただけますか?」とチャンレジしてみなさい。

そもそも正当な理由もなく、最初に提示した額を払わないのはフェアではありません。

けれど、疑問をうやむやにせず、質問し、自分の至らなさや原稿の未熟な部分を学べたとすれば、値下げされた分は安い授業料と捉えることができたかもしれません。

<POINT>
答えが見えない疑問はその場で相手に尋ねる

※本稿は『女性フリーランスの働き方』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。


女性フリーランスの働き方』(著:小川真理子/日本実業出版社)

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