2024年11月に「フリーランス・事業者間取引適正化等法」が施行されることになり、新しい働き方を考える人が多い昨今。廃業するフリーランスは全体の9割という統計データがあるなか、25年以上ずっと仕事が途切れず、50代以降も成果を出し続けている人の働き方とは?スキルの高め方、人脈のつくり方、仲間と組んで仕事をするコツ、めげないマインドの保ち方、コミュニケーション能力の磨き方…。小川真理子氏 著書「女性フリーランスの働き方」からフリーランスで仕事をしていくためのヒントを抜粋して紹介します。
いくらで仕事を引き受ければいいのか
発注者から「見積もりをください」と言われることがあります。
いつも取り組んでいる仕事であれば、過去の実績から予算や相場をつかみ、だいたいの額を提示できます。
難しいのが、未経験だけど自分にできそうな案件の依頼です。
ある先輩は、「見積もりなんだから、高めに出しておけばいいよ」とアドバイスをくれました。
しかし、どのくらいが高めかもわかりません。
ですから、いったん、「ご予算があれば、お知らせいただけると幸いです」と返信します。
それでも、見積もりを要請された場合は、仲間に意見を聞いたり、インターネットで相場を調べたり、どのくらい時間がかかりそうかを考えて見積もりを出しています。
その場合に私は、「ご予算の中でできることもあると思いますので、何なりとご相談ください」と、つなげる言葉を添えています。
報酬は多いに越したことはないのですが、目の前の仕事の先には、素晴らしい方々との出会いやご縁があります。
私自身は、表面的な条件で仕事を受ける・受けないを判断することに違和感があります。ですから、どんな状況のときも「つなげる」を意識しています。
「つなげる言葉」を使っていくことで、仕事は途切れにくくなります。
<POINT>
見積もりを提示するときは譲歩する余地を見せる