そして最も大切なのが、何ごとも自分で決めた方向に進んでいく「勇気」。人生って、何をするのも選択の連続ですよね。がん治療のような大きな選択でなくても、たとえば喉が渇いたときに、お水にするのかお茶にするのかといった些細なことでもそう。

いったんお水と決めたなら、潔く水を飲む。やっぱりお茶にすればよかったかも、とは考えない。そんな勇気を持つことが幸せな生き方に通じるのではないでしょうか。

もうひとつ、私の幸せに欠かせないのは家族の存在です。子どもたちもすっかり大人になり、今はそれぞれに家庭がありますが、嬉しいことに、すぐ近所に住んでいます。娘の家は、私の家から歩いて70歩という近さ(笑)。おかげで、小学生になった孫とも毎日のように会えますし、それぞれの家族と食事をしたり、一緒に出かけることもしょっちゅうです。

子どもたちや孫に囲まれた現在の生活はとっても幸せです。70代になった今、何ひとつ不満はありません。大病の経験がまったくない人も、私のように4回がんになった人間でも、誰の人生にも等しく終わりがやってきます。

それに、人間は泣いて生まれてきたんだから、笑って死にたいじゃないですか。家族や周囲の人たちに感謝しながら、「ああ、楽しかった」と笑顔で人生を終えることができたら最高だと思っています。

 

<仁科さん流 幸せの極意>
「2時間前は過去」だから起きたことを悔やまない
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