イメージ(写真提供:Photo AC)
季節は夏真っ盛り。少し外を歩くだけでもさまざまなセミの鳴き声が聞こえてきます。セミの生息数は地域差が大きく、ある地域ではメジャーなセミでも、別の地域では非常に珍しいセミということもありえます。今の時期に旅行に行くなら、地元のセミとの違いを聞き比べてみるのも面白そうです。

東日本と西日本で違う? 

日本の夏を代表する虫ともいえるセミ。最近では、セミのいない国から来日した人が、実際の鳴き声を聞いて「日本のアニメやゲームで聞いたのと同じだ」と感動することもあるといいます。この「本物のセミの鳴き声を聞いて驚く」という現象、住んでいる地域によっては日本人でも経験することがあるようです。

セミは種類によって分布が異なっています。代表的な例はミンミンゼミとクマゼミです。地域によって例外もありますが、一般的に東日本ではミンミンゼミが優勢なのに対して、西日本ではクマゼミが優勢となっています。大阪の市街地では特にミンミンゼミが珍しく、上京して初めてミンミンゼミの鳴き声を聞いたという人もいるほどなのだとか。

反対に、東京に住んでいる筆者は滅多にクマゼミの声を聞きません。子どもの頃は、関西のテレビ中継などであの「シャワシャワシャワ……」という鳴き声を耳にしてもセミだとわからず、いったい何の音かと不思議に思っていたものです。

ただ、クマゼミの生息地は少しずつ北上してきていることがわかっています。他地域からの植樹や温暖化が関係していると考えられていますが、はっきりとした理由は不明です。

いつか東京でも、ミンミンゼミとクマゼミが共演する夏が来るのでしょうか。

 

コラム:7年・7日といわれるけれど……。セミは幼虫時代を地中で過ごし、十分に成長すると地上に出て羽化します。よく「成虫になるのに7年かかる」といわれますが、実際は種類によってまちまちです。生まれて1~2年で成虫になるセミもいれば、今年アメリカで話題になっている13年ゼミ・17年ゼミのように、10年以上地中で過ごすセミもいます。また、セミは地上に出たら1週間程度しか生きられないとされ、昔から儚いもののたとえにも使われてきました。しかし最近の研究によると、環境次第では1ヵ月程度生きられることがわかってきたそう。とはいえ、地中で過ごす時間に比べてはるかに短いことに変わりはありません。

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