晴明の墓所はどこにある?
その安倍晴明ゆかりの地としては、何といっても、上京区にある晴明神社が有名です。
創建は1007年。85歳で晴明が没してから2年後のことで、その偉業を讃え、御霊を鎮めるため、一条天皇の命によって、晴明の屋敷跡に社殿が設けられたのです。
「魔除け」「厄除け」の神社として知られていますが、晴明を主人公とした小説やマンガ『陰陽師』のファンや、羽生結弦さんのファンも(彼の代表的なプログラムが『SEIMEI』だというつながりで)多数お参りに訪れています。
境内には約2000株の桔梗が植えられています。なぜ桔梗かというと、同神社の社紋「晴明桔梗」が桔梗の花をモチーフとしているから。「晴明桔梗」は「五芒星」とも呼ばれ、あらゆる魔除けの呪符(じゅふ/さまざまな災禍を防ぎ、幸運や幸福をもたらすと信じられている物)として陰陽道で用いられてきたそうです。
映画『陰陽師』シリーズなどで、呪術を使うシーンに登場するため、「晴明といえば五芒星」というほどよく知られた印。鳥居の額をはじめ、晴明神社の境内でも、あちこちでこの社紋を見かけます。
では、その晴明のお墓は京都のどこにあるか、ご存じでしょうか。
意外なことに、晴明神社からかなり離れた、嵯峨嵐山にあるのです。
実は、晴明の墓所と伝わる場所(晴明塚)は全国に何ヵ所かあるそうです。なぜかというと、稀代の陰陽師のパワーが悪用されるのを恐れ、本当の墓所がどこなのか、わからないようにしたのだとか。
しかし、これほど年月が経てば、隠す必要もないということなのでしょうか。嵯峨の墓所は、現在、晴明神社の飛び地境内となっており、晴明神社が認めた、いわば“公式の墓所”といえそうです。