いざというとき助けてくれるのは
講演やブログでもお伝えしていますが、災害が起こった際に何よりも必要なのは水です。つい洗い流したくなってしまうけれど、お風呂に残り湯を貯めておけば、生活用水として、2、3日は使えます。
あと、実際に被災した経験から言うと、食品用のラップがめっちゃ活躍するんです。食器を汚さずに済むし、寒いときは体に巻けば防寒具代わりにもなる。
また、当たり前かもしれないけれど、足の裏をガラスで切ると何もできなくなるから、地震が起きたら、家の中でも絶対に裸足で歩かないこと。普段から、枕元にスニーカーか、スリッパでもいいので何か履き物を置いておけと、うちのヨメと子どもたちにも言うています。
そして、何よりも大切なのは人とのつながりです。以前、番組の取材でお話を伺った、ヨットで世界を一周している方によると、「海で嵐に遭ったり、座礁するかどうかは運次第」なんだそう。自然災害もそれと同じで、どんなに気をつけていても避けられない。
いくら念を入れて食料や防災グッズを備蓄しておいても、地震で家ごと潰れてしまったり、火事で燃えてしまうこともあるでしょう。そんなとき助けてくれるのは、やっぱり人なのだと僕は思います。
そのために、日頃から近所の人に会ったら「おはよう」の一言でいいから挨拶を交わしておくといいですよね。人間は、一言もしゃべったことがない人は助けづらい。
でも、普段から挨拶を交わしている相手が困っていたら、食料だって分けてくれるだろうし、「あそこに行くとこれがもらえるよ」という情報も教えてくれるでしょう。だからこそ、「笑顔で挨拶」が大切。そんな些細な習慣が、いざというときに自分を助けてくれるのだと思います。
『婦人公論』8月号には、特別付録「書き込み式で安心非常時に役立つmy防災手帳」がついています。地震や豪雨などの災害に見舞われた際に役立つ知恵をハンディな1冊にまとめました。全国の書店でお取り寄せが可能。ネット書店でも購入ができます。