海藻類は豊富な栄養素を含むことで知られます。中でも注目なのが「もずく」。最近の研究により、さまざまな健康効果が期待できることがわかってきました。「アメリカ免疫学会」でフコイダンの免疫に関する論文を発表している九州大学大学院の宮﨑義之准教授にもずく効果について伺いました。
もずくで腸内環境を整える!
夏は便秘になりやすい季節です。その理由としては、大量の発汗による水分不足や、エアコンの使いすぎによる自律神経の乱れ、冷たいものを多く食べることによる胃腸の働きの鈍化などが挙げられます。
こうして引き起こされる「夏便秘」に有効なのが、腸内環境を整える成分を多く含むもずくです。もずくには、海藻特有のぬめり成分である「フコイダン」「アルギン酸」といった食物繊維が含まれています。特にもずくのフコイダン含有量は、ワカメや昆布の5~10倍ほどといわれており、他の海藻類よりも効率的に便通を改善できるのが特長です。
さらに、フコイダンは夏風邪対策にも有効であることがわかっています。
夏は、暑さやエアコンの冷えにより体が疲れやすく、また寝不足や食欲不振が続くことで免疫力も低下するため、冬同様に風邪を引きやすいとされています。しかし、九州大学の実験によると、フコイダンを経口摂取することで免疫をつかさどる細胞が活性化されることが確認されたのだそう。
体調を崩しやすいこの季節、もずくで腸活と免疫力アップを目指してみてはいかがでしょうか。
宮﨑義之
九州大学大学院 農学研究院 食品免疫機能分析学寄附講座 准教授
九州大学大学院農学研究院で博士号取得後、同大医学部研究員、佐賀大学医学部助教。2016年に九州大学大学院農学研究院生命機能科学部門准教授に就任。国内で初期からフコイダンの免疫メカニズムを解明する研究に携わり、現在はヴェントゥーノ社と共同で、幅広い食品の免疫機能に関する研究を実施している。ノーベル賞受賞者を輩出する、世界各国で活躍する免疫学者が一同に集う世界最大規模の学術組織「アメリカ免疫学会」でフコイダンの免疫に関する論文を発表している。
「婦人公論.jp」編集部
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