義父までもが無言で私を責める目をする

それにしても、いつまで居続けるのか……。カオルさんは夫の尻を叩き、上の子も中学生になるし、子ども部屋を明け渡してほしいという理由で、義弟に退去勧告を出してもらった。

やがて、職と家賃の安いワンルームの部屋を見つけた義弟は、ようやく出ていった。
ところが、それに怒ったのが夫の姉だ。「弟をなぜ追い出した」「冷たい女だ」とカオルさんに対し非難の嵐。強力な援軍を得て、義母も「あの子がかわいそう」と心配顔をする。

「義父までもが無言で私を責める目をするんです。義弟はほんわかした雰囲気の愛されキャラだったから、私はすっかり悪者。でもね、居つかれたら、ずっと私たちが面倒をみなきゃいけなくなるんですよ」

あれ以来、義父母・義姉のグループと、カオルさん夫婦との間には溝ができた。そんな中、義弟は休日に気な顔をしてやってきては、カオルさんの2人の子どもとゲームをしたり、遊び相手になっている。

「よく考えたら、義弟からは一度も恨み言や非難めいた言葉を言われたことがない。シャクだけど、いい奴なのかも。そういえば、『義姉さんだって、働いていて大変なんだから』と、義父母に向かって、私の家事の手抜きをかばってくれたことがあったっけ……。まあ、そう思えるのも、別に住んでいてくれるからなんですけどね」とカオルさん。