観光客が増えることで発生するダメージも

しかし、観光客が増えることで発生するダメージについては、しっかりと検証する必要がある。

イタリアのもう一つの観光都市であるフィレンツェも、もうずいぶんと長い間オーバーツーリズムに悩まされ続けているが、私が暮らしていた頃からすでに歴史的建造物の階段で宴会を開いてあたりを汚したり、立ち入り禁止のルネサンス時代の噴水で水浴びをする連中もいた。

フィレンツェは恥晒しのテーマパークと化していた。

これと同じことが今日の日本でも起こっている。

日本の文化や歴史に関心があって観光に訪れている人たちにはそれなりの気配りが感じられるが、先日京都を訪れた息子によると、路上の片隅で、見るからに柄の悪い外国人たちが缶ビール片手にたむろして大騒ぎをしていたという。そのあたりに漂っていた煙の臭いも「やばかった」そうだ。

東京の新宿でも、やはり路上で酔っ払った外国人たちが集まって大騒ぎをしている様子が動画配信されていたが、観光客である限り、金を落とすのだから何をしても許されると思っているかのようだ。

地元へのリスペクトを欠いた横柄な彼らの態度には、観光客という言葉では済まされない憤りを覚えてしまう。