これを機に…

これを機にこっちに帰ってくるのはどうだ?(マンガ『オーマイ・ダッド!父がだんだん壊れていく』)

父は地元で仕事を探してくれると言っていたが、出版社で経験を積んできた私は、この機会に作家として独立しようと考えた。

そうして私たち親子は東京を離れ、生まれ育った町へと帰ってきた。もし私が働きたいと言い出さなければ、夫との関係が崩れることはなかっただろうか。いや、きっとどこかのタイミングでほころびが生まれていたはず。

何より自分が働くという選択をしていたおかげで、離婚に踏み切れた部分は大きい。大学進学を薦め、キャリアを積ませてくれた父と、私が手に職をもつ女性になるよう願ってくれていた母には、今更ながらに感謝の気持ちでいっぱいだ。

第21話へ続く。

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