スパルタ指導を認めない風潮

ところが令和の時代になり、今は反転して、世間がこのような指導方法を認めない風潮になりました。

その影響で、指導される側もそれまで無条件に受け入れていた指導方法に疑問を呈したり、拒否したりするようになりました。

『メンターになる人、老害になる人。』(著:前田康二郎/クロスメディア・パブリッシング)

そのような状況になって初めて、スパルタを良しとしていた指導者は「あれ、なんか自分に対する風当たりが違うな……」と気付き始めます。

しかし、ベテランの指導者の中には既に長年培った自分のスパルタ指導の「型」がありますから、急に指導方法を時代に合ったやり方に変えろと言われても変えられない、変えたとしてもこれまでと同じように結果が出るのか不安、そもそもその世間の論調の変化自体がおかしいのでは、などと混乱します。

心の整理がつかないまま厳しい指導方法をやめずに続けていると、周囲から批判されたり、指導をボイコットされたりするようになります。

そのような中で、つい「自分はこれまで何も言われなかったのに、急におかしいと言い出す周囲の方がおかしい」などと口を滑らせてしまい「暴言・失言」と騒がれ、あれよ、あれよという間に責任を取る形で退職・解任させられてしまう。このようなことも現実に起こっています。