指導方法の「手数」を増やす

指導者が持つ指導方法の手数が少ないと、そのやり方で結果が出ない相手に、「どうしてあなたのやり方は結果が出ないんだ!」と自分自身の考え方すら否定された気持ちになり、それが怒りとなって老害的に相手にふるまってしまうことがあります。

手数があれば、「このやり方じゃ結果が出なかったか。じゃあこのやり方はどう? あとこういうやり方もあるよ。あとは任せるから自分で考えてやってみてよ。相談にはいつでも乗るから」と、高圧的・老害的でないコミュニケーションが取れるはずです。

課題解決の「手数」を持っていれば、どのような時代が来ても、どのような世間の論調になっても、それに合わせた「手」を選択して繰り出すことができますので、時代や世間の変化に影響されることなく長年にわたりメンターとして支持され続けることができます。

自分以外の指導方法を全否定せず、「そういう指導方法があるのか。それと自分の指導方法を組み合わせてみたらどうなるのかな」と考えてみましょう。

「指導方法の手数を無限に増やす」という意識を取り入れてみると、あらゆるタイプの人材の指導もでき、さらに活躍できることと思います。

※本稿は、『メンターになる人、老害になる人。』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

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