カーポートに車を停めてから20段もの階段を上ってようやく玄関にたどり着き、1階に入るにはそこからまた6段、さらに螺旋階段を上って2階のリビングへ。ジャグジーを設置した屋上に出るには、2階からさらに20段ほどの螺旋階段を上らねばなりません。

この家を建てた50代の頃は元気いっぱいだったから、階段が多くても平気でしたが、この先10年、20年とひとり暮らしをすることを考えると、ここは「危険な家」になってしまうだろうなと思って。

実際、この家に住んでいる間に足首を骨折し、しばらく松葉杖を使わなければならない時期があったんです。階段の上り下りはもはや命がけ。それがきっかけとなり、もっと安全な家を建てることにしました。

残念ながら、秋谷の家の近所には新たに家を建てられる土地がなく、秋谷から少し南に下った佐島の住宅地に土地を購入。今の家を建てるにあたり「マスト」だったのが、エレベーターをつけることです。そうすればこの先、松葉杖を使うことになったり、年齢とともに体力が衰えたりしても安全に暮らせるでしょう。

とはいえ、今からエレベーターに頼っていると足腰が弱ってしまうので、積極的に階段を使っています。段の高さを低くし、踏面の幅を広めにして。万が一、足を踏み外して頭を打っても大ケガをしないように絨毯を敷き、手すりもつけました。

お風呂場にもL字形の手すりを設置。ひとり暮らしなので、入浴中に溺れても誰も助けてくれませんからね。

キッチンの調理用コンロは、安全を考えてIHにしています。ひとり暮らしで火を使うのはやっぱり怖い。IHなら、うっかり消し忘れても自動で電源が切れるので安心です。