まずは (1) バランスのいい食事。多くの品目をまんべんなく食べること、腸内環境を整えることが脳の健康に役立ちます。「脳に良い」などといわれる特定の食品ばかりを食べるのは、脳にとって逆に良くありません。
続いて (2) 十分な睡眠。脳の疲れを取るだけでなく、アルツハイマー型認知症の原因といわれる老廃物の排出を促す役割があります。6時間以上の睡眠を心がけましょう。
(3) 運動は、無理なく継続することが大切。全身を動かす早歩きや軽いジョギングなどの有酸素運動を、1日30分、週2回行うのが理想です。ただ最近の研究では、散歩の途中で100mだけ早歩きをするといった低強度の運動でも、習慣化すると一定の効果があることが明らかに。
(4) コミュニケーションは、脳の健康維持に大切な習慣です。会話をするときに私たちは表情や声のトーンから相手の気持ちを理解し、適切な対応を取ろうとします。このとき脳の中ではあらゆる領域が活発に活動し、刺激を受けているのです。
食事や運動にもいえることですが、好きでないことをいやいや続けるのは脳の健康に良くありません。これをすると「嬉しい、楽しい」と思えるような習慣を持ち、(5) 主観的幸福度を高めることが、ストレスを低下させて脳の健康維持に役立つことも明らかになっています。
最後に、脳にとって最高の習慣としておすすめしたいのが (6) 趣味・知的好奇心を持つことです。脳内の情報処理や情報伝達を担う神経細胞には、使えば使うほど変化する「性」という特徴があります。新しく趣味を始めたり、上達したいと努力をすることで、脳が変化する力を高めることができるのです。