少子高齢化だけれど、維持していけるの?
「現状では大丈夫なことはわかった。でも、この先少子高齢化で、高齢者はドンドン増えていく。それでも年金制度は続けていけるの?」
少子高齢化はたしかに心配でしょう。
2023年、人口に占める65歳以上の高齢者の割合は29.1%です。2040年には、34.8%になる見込みです。
しかし、このままずっと高齢者が増え続けることはありません。団塊ジュニアが高齢者になる2040年までは上昇していきますが、それ以降は横ばいが続くと予測されています。
とはいえ、現役世代が減っていく中で、増加する高齢者を支え切れるのでしょうか。
1980年には騎馬戦型で支えていたスタイルが、2010年には神輿(みこし)型になり、2040年には肩車、つまり1人の高齢者を1人の現役世代が支えるようになる。年金制度は、よくこんな説明がされます。
ここで使われる数字は、分母が20歳から64歳までの人口、分子が65歳以上の人口です。
ですが、単純に人口で割った数字なので、実態とは少し違ってきます。分母は本来、就業者の数になるべきです。
なぜなら第3号被保険者は保険料を払っておらず、また、いまや65歳以降も多くの人が働いているからです。
分母を就業者、分子を非就業者に変えると、ほぼ肩車の図式が何年もずっと続いてきていることがわかります。