ラストナンバーの「修羅の花」は唯一、昔の曲のリメイク。映画『修羅雪姫』の主題歌で、クエンティン・タランティーノ監督の『キル・ビル』の決闘シーンにも使われたことから世界中にファンが多い曲です。

私も大好きで歌番組で歌いたいと思うものの、「怨み節」ばかりリクエストされてしまう(笑)。作曲してくださった平尾昌晃さんからも、「芽衣子ちゃん、たまには『修羅』も歌ってよ」と冗談めかして言われてきたので、新しい「修羅」を歌うことができて、感慨深いものがありますね。

昨年にはイギリスのレーベルから、私が73年に発表したアルバムが復刻されました。海外の、それも若い人たちから「好き」と言ってもらえるのはもちろん嬉しいことですが、なんだか自分のなかではピンとこなくて。

そもそも海外にファンの方が多いのは、昔からなんですよ。90年代には、お友達が海外出張に行くたびに、「ロスで芽衣子ちゃんの作品をみつけたよ」とか「台湾で人気だよ」と、私の古い作品のビデオやDVDを買ってきてくれたものでした。

だから若かりしタランティーノ監督が、ビデオショップでのアルバイトを通じて私のファンになってくださったことも、そうなんだろうなあと思います。でも、やっぱりピンときませんね。

後編につづく