生きづらい人たちを歌で応援したい
エスム そんな現実の中で、ドラァグクイーンとして歌って踊って、みんなに楽しんでもらえることは自分のアイデンティティよね。
ドリアン わたしはどんな格好をしていてもモテるけど(笑)、正直な話、女装するとゲイの間ではモテなくなっちゃう。ゲイは往々にしていわゆる《マッチョ》なタイプが好きだから。でも、ドラァグクイーンとしてみんなから拍手をもらうことで、強力な自己肯定感が得られるのは確かよね。
エスム それにつけても、八方不美人が『婦人公論』さんに取材していただけるなんて。近頃は、ゲイに対する世の中の反応も大いに変わってきているって感じますね。同性婚が認められるようになったり、LGBTに関する社会の理解も深まっているし。
ドリアン 本当に! わたしたちドラァグクイーンが、青空のもと、昼間からショッピングモールで歌うなんて、昔だったら絶対にありえない。わたしが2丁目デビューした頃だって、ドラァグクイーンはもっとアンダーグラウンドな存在だったから。
ホイみ いろんなことができる可能性が広がったので、わたしたちゲイにとってはありがたい話です。コロナが落ち着いたら、定期的にライブもやっていきたい。今って、世の中がすごく窮屈で、決められた常識の枠の中にすべてを押し込めようとしている感じが強いので、その枠をわたしたちの歌で破れたらいいなって。
ドリアン そもそもドラァグクイーンってそういうもの。「男らしさ」や「女らしさ」を笑い飛ばして、「こうあるべき」という世間の価値観を揺り動かしていくのがわたしたちの役目だから。
エスム 世の中の「正しい」とか「普通」から逸脱した存在だもの。
ドリアン 新曲の「地べたの天使たち」でも、「いろんな生き方がある。何が正解かなんてべつに決めなくていいね」って歌っています。世間の「正しさ」からはずれて、生きづらさを感じている人に、ぜひ聞いてほしいなぁ。
エスム わたしたちだって、まさかメジャーデビューできるなんて思っていなかったもの。「自分の人生なんて、こんなもの」とあきらめている人たちに、「いやいや、最後まで何が起こるかわからないよ」っていうメッセージを一人でも多くの人に伝えていけたら。
ドリアン そのためには、まず『紅白歌合戦』に出なきゃ!
ホイみ そうそう、紅組でも白組でもどちらでもOKなので、あとはNHKさん次第。(笑)
エスム 大晦日のスケジュールは空けてあるので(笑)、スタンバイはバッチリです!
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愛する人に裏切られた絶望、憎しみと祈りが合わさった時に思わず呟く“その言葉”。
過去最大に過激な歌詞を、八方不美人の真骨頂とも言える疾走感のあるメロディーに乗せて紡がれる新曲『ジーザス!』
八方不美人 「ジーザス!」
(作詞/及川眠子、作・編曲/中崎英也)
iTunes、Apple Music、Amazon、Google Play Music等にて配信中!
↓↓MVはこちら↓↓
2025年5月9日(金) EXシアターにてワンマンライブ開催決定!
*詳細は決まり次第、八方不美人公式HPなどで告知していきます。
また、それにともない5月上旬にニューアルバムをリリース予定。
エスムラルダ
ドラァグクイーン、ライター、脚本家、歌手、俳優
1972年大阪府生まれ、東京都育ち。1995年3月一橋大学社会学部卒業。8年強の大手印刷会社勤務を経て、フリーランスに。日本シナリオ作家協会会員、日本劇作家協会会員。大学在学中、同学年の友人・ブルボンヌ主催のクラブイベントでドラァグクイーンデビュー。クラブイベントを中心に活動し、企業イベント、舞台公演やメディアにパフォーマー/MC/俳優/コメンテーターとして出演。教育機関や地方自治体で、セクシュアリティや同性パートナーシップ制度についての講演も行っている。2002年、東京都の「ヘブンアーティスト」ライセンスを取得。脚本作品に映画『まつりのあとのあとのまつり〜まぜこぜ一座殺人事件〜』、東宝ミュージカル『プリシラ』翻訳台本(日生劇場)、舞台『Bad Luck!』脚本・演出(両国・Air studio)ほか。著書に『英語で新宿二丁目を紹介する本』(森村明生名義、ポット出版)『同性パートナーシップ証明、はじまりました。 渋谷区・世田谷区の成立物語と手続きの方法』(エスムラルダ名義、ポット出版/KIRA 氏との共同執著書)など。「エスムラルダの日記帳」(雑誌『週刊女性』主婦と生活社)。「エスムラルダの愛の言霊」(雑誌『CDジャーナル』音楽出版社)「エスムラルダの女傑力」(雑誌『Domani』小学館)などにコラムを連載している
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Instagram:@esmralda001
ドリアン・ロロブリジーダ
ドラァグクイーン
1984年東京都生まれ。2008年4月早稲田大学法学部中退。12年間の一般企業勤務を経て、2020年3月より独立。大学在学中の2006年12月、新宿二丁目で開催された「第1回 若手女装グランプリ」にてデビューし、優勝。180cの長身とハイヒールで唯一無二の存在感を放つ。クラブイベントを中心に、ファッションモデル、CM出演、企業・行政の講演会、各種テレビ番組や映画・ドラマに出演。ドラァグクイーン・ディーヴァ・ユニット「八方不美人」や、ノーメイクで“好きな歌を好きな場所でただただ歌う”をモットーに活動する「ふたりのビッグショー」のメンバーとして歌手活動を展開。主な出演作に、映画『エゴイスト』(監督:松永大司 主演:鈴木亮平)、『CITY HUNTER』(監督:佐藤祐市 主演:鈴木亮平)『まぜこぜ一座殺人事件~まつりのあとのあとのまつり~』(監督:齊藤雄基 プロデューサー:東ちづる)、恋愛リアリティシリーズ『ボーイフレンド』(Netflix)、ドラマ『人事の人見』(フジテレビ)など
YouTube:『Durian's Powder Room -ドリアン・ロロブリジーダ-』
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ちあきホイみ
ドラァグクイーン
1986年神奈川県生まれ。2009年3月慶應義塾大学文学部美学美術史学科卒、2011年9月同大学政策メディア研究科修了。医療系コンサルティング会社を経て現在は医療系ITベンチャーに勤務。勤務先の忘年会等での余興女装を経て、2016年1月、女装歌手ちあきホイみとして下北沢GARAGEでステージデビュー。芸名は敬愛する歌手、ちあきなおみとホイットニー・ヒューストンから。昭和歌謡や R&B を中心に、下北沢や新宿二丁目でミニライブを重ねる。2024年10月、八方不美人デビュー5周年の節目に、及川眠子のプロデュースで1stソロアルバム『かんのん』をリリースし、ソロ歌手としての活動を本格的に開始。LIVE 出演(ソロリサイタル)「ちあきホイみ 1st.ソロアルバム『かんのん』リリース記念ライブ」(南青山MANDALA 2024年10月6日)、「ちあきホイみ ソロライブ 『かんのん ~いろっぽいしたい~』」(SHIBUYA PLEASURE PLEASURE 2025年2月3日)など。2025年『洋子の演歌一直線』(テレビ東京)ソロでのTV出演を果たす
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