「わたしは、普段は裏方の仕事をしているので、スイッチが入るのはやっぱりステージに上がった瞬間かな」(エスムラルダさん)

エスム 最初は、思い出作りにミニアルバムを1枚出せたらいいなくらいに考えていたら、世間様の反応が思いのほかよかったので、あれよあれよという間に2枚目も。

ドリアン ライブも、去年は年間で約50ステージ。CD店や各地のショッピングモールでイベントもやらせてもらって。本当に《ドリームズ・カム・トゥルー》な感じ。

ホイみ 名古屋でイベントをやったときは、4、5歳くらいのお子さんが一緒に踊ってくれて、その隣で80代のおじいちゃんやおばあちゃんが杖をついて見てくれた。

ドリアン ダイバーシティ(多様性)をあらためて感じたっていうか、ボーダーレスにみなさんに愛されているのがうれしいですね。

エスム コロナの影響でしばらく自粛してたけど、10月からライブも再開。おかげさまで忙しくなりそうだけど、男の自分でいるときとドラァグクイーンでいるときで、気持ちを切り替えたりしている?

ホイみ わたしの場合、平日は地道にサラリーマンをやらせていただいているので、男性用のスーツを着て取引先に伺っています。でも、自分がゲイであることや八方不美人の活動をしていることも会社ではオープンにしているので、精神的にはいつもあまり変わりません。

ドラァグクイーンを始めたばかりの頃は、「昨日はみんなの前で華やかなショーをやったのに、今日は地味な日常……」みたいなギャップがあったんですけど、今は八方不美人でいる時間もすっかり日常化していますから。

ドリアン わたしも常に同じテンション! 「一度きりの人生だから、好きなことを思い切りやろう」と、今年の2月に会社を辞めて、歌やパフォーマンスの仕事一本にしぼったんですけど、会社にいるときも、歌いながら社内を歩いていたし。以前から、男性のままスッピンで歌も歌っていますしね。

ホイみ エスムさんは、つけまつげをつけた瞬間、人格が変わる?

エスム わたしは、普段は舞台の脚本を書いたり、ネットでコラムを書いたりと裏方の仕事をしているので、スイッチが入るのはやっぱりステージに上がった瞬間かな。

ホイみ 確かに! ステージに立って客席から喝采が上がった瞬間に、めちゃくちゃ気分がアガる。それが一番の快感ですよね。