なぜ国保は高いのか
なぜ国保料が高くなってしまうのか?
国保は定年になってから加入する人が多いため、加入者の年齢層が高く、医療費が高くなりやすいからである。
(1)~(3)の加入者の平均年齢がどこも30代であるのに対し、国保は54歳。しかも国保加入者の高齢化は年々進行している。
加入者の中で65~74歳の割合が2002年度は27%だったが、22年度には44.8%に増加(令和4年度国民健康保険実態調査報告)。一方で、0~19歳の加入者は02年度の14.3%から、22年度は8.6%にまで減少している。
長年、国保問題に取り組んできた大阪社会保障推進協議会事務局長の寺内順子氏はこうまとめる。
「75歳以上は後期高齢者医療制度に加入しますが、65~74歳で国保に加入する人が多く、この層は病気を抱えやすい。特にがんは60代、70代が中心です。ですから医療費がかかります。加入者ひとり当たりの年間医療費を保険ごとに比べると、組合健保約18万円、協会けんぽ約20万円、共済組合約16万円に対し、国保は36.2万円です。地域に医療費が多く発生すれば、それだけ保険給付費(自己負担額以外の費用)も上昇し、それに応じて保険料が高くなるのです」