彰子が気にしていたこと

ということは、もしも妍子に男子が生まれて、彼が東宮になれば、彰子の子である後一条天皇はこの皇子に皇位を譲り渡すだけの存在になる。

そして皇太后となる妹、妍子の権力は彰子より大きくなる。

(写真提供:Photo AC)

だから妍子が男の子を産むかどうか、彰子はずっと気にしていたはずだ。

同母姉妹とはいえ、彰子が内裏に入ったのは妍子が5歳のときであり、服藤早苗氏が指摘されるように、妍子からは、特に彰子がそれほど思い出のある姉とは考えにくい。