自動車メーカーへの投資

史上最も重要な発明の一つ、自動車の例で説明しよう。

20世紀初頭に自動車メーカーに投資した人々は、おそらく自分には未来が見えていると思ったはずだ。実際そのとおりで、今では14億台以上の自動車が世界の道路を走っている。

『年1時間で億になる投資の正解』(著:ニコラ・ベルベ 翻訳:土方奈美/新潮社)

とはいえ自動車メーカーへの投資の多くは大失敗に終わった。アメリカでは20世紀に入って以降、2900社以上の自動車会社が登場したが、そのほとんどが消滅した。同業者に飲み込まれたケースもあるが、事業を支える収入が得られずに倒産したケースのほうが多い。

20世紀が終わる時点で、アメリカの自動車メーカーとして生き残っていたのはわずか3社だ(そのうちGMとクライスラーの2社は2007~08年の経済危機の際、連邦政府の救済を受けてなんとか倒産を免れた)。

自動車に続いて、飛行機が数十億人の仕事や旅行のあり方に革命を起こした。航空業界の競争も激しく利益はほとんど出なかったため、投資家が望んだ結果を得られることはまれだった。